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限界Lovers
第15章 濡夜
それから皆は二次会に行くと行って温泉街に出て行った。
俺は温泉に行くとか寝るとかで残る人にまぎれて部屋に戻る。
「…彼女も来てるんでしょ」
「!」
途中、さりげなく隣に並ぶ並木さんに声をかけられた。
「あの人、見かけによらずいい人だね」
「あの人って…」
「…おネエさん。リンダさんて言うのね…名刺貰っちゃった。…今度お店行ってみようかな」
名前を聞くだけで震えがまた蘇る。
「その人の話はヤメテクレ」
「フフ…襲われかけたから?」
「ヤメテクレ!」
並木さんは愉しそうに隣で笑っていた。
「…二次会行かないの?」
「山下くんが行かないからね」
「…今までと180度の違いだな」
「素直でしょ?」
酒も入ってか並木さんは得意気だった。
「…俺“ごめん”って言ったよな」
「可能性は0%?」
「0%」
「即答…キッツ…」
ケラケラ笑う並木さんの答えと態度の温度差が少し怖い。
彼女には気を持たせるようなことをしたつもりもなく……
「リンダさんに言われたの。“素直じゃない私を可愛いって言ってくれる人探しなさい”って」
「その方がいいよ」
「…私は山下くんにそう思われたかった」
「………」
「無駄に長く好きだったんだもん…こんな一日やそこらで“はいそうですか”なんていかないのよ。…もう少しジタバタさせて」
「今までそんな素振りがなかっただけに正直怖いんだけど」
「……一度言葉に出すと突っ走るタイプみたいね、私」
こんな風に告白されながら俺の心中は「困った」の一言だった。
どうしたものかと考えてると少し先から高橋の叫び声が聞こえた。
「ミューズ!!!」
その声を追って見ると高橋の先にいるのは…
みなみ。
……オイ、“運命の人”ってまさかみなみじゃないだろうな……
きーちゃんと一緒にいるみなみは高橋をポカンと見ている。
「…やっと会えたね」
「……みなみの知り合い?」
「し…知らない」
みなみときーちゃんはコソコソ高橋を警戒していた。
…が、きーちゃんが隙を見てみなみを連れ走り出す。
俺は温泉に行くとか寝るとかで残る人にまぎれて部屋に戻る。
「…彼女も来てるんでしょ」
「!」
途中、さりげなく隣に並ぶ並木さんに声をかけられた。
「あの人、見かけによらずいい人だね」
「あの人って…」
「…おネエさん。リンダさんて言うのね…名刺貰っちゃった。…今度お店行ってみようかな」
名前を聞くだけで震えがまた蘇る。
「その人の話はヤメテクレ」
「フフ…襲われかけたから?」
「ヤメテクレ!」
並木さんは愉しそうに隣で笑っていた。
「…二次会行かないの?」
「山下くんが行かないからね」
「…今までと180度の違いだな」
「素直でしょ?」
酒も入ってか並木さんは得意気だった。
「…俺“ごめん”って言ったよな」
「可能性は0%?」
「0%」
「即答…キッツ…」
ケラケラ笑う並木さんの答えと態度の温度差が少し怖い。
彼女には気を持たせるようなことをしたつもりもなく……
「リンダさんに言われたの。“素直じゃない私を可愛いって言ってくれる人探しなさい”って」
「その方がいいよ」
「…私は山下くんにそう思われたかった」
「………」
「無駄に長く好きだったんだもん…こんな一日やそこらで“はいそうですか”なんていかないのよ。…もう少しジタバタさせて」
「今までそんな素振りがなかっただけに正直怖いんだけど」
「……一度言葉に出すと突っ走るタイプみたいね、私」
こんな風に告白されながら俺の心中は「困った」の一言だった。
どうしたものかと考えてると少し先から高橋の叫び声が聞こえた。
「ミューズ!!!」
その声を追って見ると高橋の先にいるのは…
みなみ。
……オイ、“運命の人”ってまさかみなみじゃないだろうな……
きーちゃんと一緒にいるみなみは高橋をポカンと見ている。
「…やっと会えたね」
「……みなみの知り合い?」
「し…知らない」
みなみときーちゃんはコソコソ高橋を警戒していた。
…が、きーちゃんが隙を見てみなみを連れ走り出す。