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限界Lovers
第16章 鈴木将太の憂鬱2
ーーーーそれは夕べの事…
夜、僕たちの空気が変わったのはお酒を飲み始めた頃だった…
初めは陽気に飲んでいた皆をお酒の飲めない僕は楽しく見ていた。
でも「一人だけ飲まないなんて場が白ける!」との高梨くんの言葉に場を乱してはいけないと飲み慣れないビールをチビチビ飲み始め…
体がフワフワしてきた時にゲームが始まった。
「王様ゲームぅー!!!」
「イエーイ!!!」
僕以外が盛り上がり始める。
王様ゲーム…噂では聞いたことがある。
コミュニケーションを円滑にするためのスキンシップが盛り込まれたゲームだったと僕は記憶していたが…
「王様だーれだ!?」
「俺ー!」
王様を引いたのは高梨くんで、僕は一番だった。
で、高梨くんの指令というのは…
「一番と三番が握手ー」
…僕だ!
三番は?
「ハーイ!菜々ー」
小板橋さん…
高梨くんの好きな小板橋さんと握手なんて…
ちょっぴり罪悪感。
「意外と鈴木くんの手おっきいね」
「そ…そう?」
カーっと顔に血が集まると更に酔いが回った気がした。
「じゃあ次行くぞー!王様だーれだ!」
「菜々ー!…じゃあね、二番が一番を膝枕で頭ナデナデ!」
これは……
僕は三番だった。
「二番俺」
「フフっ、じゃあ甘えちゃお」
高梨くんの膝に凛子さんが横たわると合わせが緩いのか、凛子さんの生足が覗いた。
高梨くんが凛子さんを撫でると凛子さんは嬉しそうに目を瞑る。
そして次の王様は凛子さん。
「二番と三番ハグー」
それは僕と高梨くんで…
び、微妙。
だけどだんだん楽しくなってきた。
「王様俺だ!」
次は高梨くん。
「じゃあ一番一気飲み!」
…一番は僕だった。
それからも何回か一気が続き、僕も二度ほど飲んだだろうか。
不思議と僕に王様は回ってこない。
でも僕に盛り上がる命令ができるとは思わないからそれはそれで丁度良かった。