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限界Lovers
第17章 看病しましょ
ピピッ、ピピッ


アラームが鳴って、遥斗の脇から体温計を取り出し熱を見ると…


「38.3゜…遥斗~…温泉で風邪引いちゃった!?」


「…高橋のせいだろ。アイツ無駄に風呂ばっか入りやがって翌日熱だしてさ、朝飯も食えないくらいグロッキーで家まで俺が送らされたんだよ」


「それ聞いたの5回目」


遥斗は“高橋さん”が余程気に入らないと見えてブツブツ文句を言っていた。


「……みなみに目をつけた罰だと思う」


「………」


「みなみに目をつけるのは目が高いけど俺のみなみを“ミューズ”だなんて…確かにみなみは女神だけど高橋のじゃなくて“俺の”……」


「はいはい、それももう5回聞いた」


遥斗に布団をかけ直してポンポン叩く。
全く、しょうがないんだから。
お母さんみたいな気分になってむくれる遥斗によーく言い聞かせた。


「じゃあみなみ仕事に行ってくるからね」


「ん」


「ちゃんといい子に寝てるんだよ」


「ん」


「…おかゆ食べられたら温めて食べてね」


「ん」


「暖かくするんだよ」


「ん…」


「………」


私の胸はキュンキュンだった。
だって…「ん」とか遥斗の返事が可愛すぎて…


「……みなみ」


遥斗が私の裾を引く。


「早く帰ってきて」


「!!」


ズッキューン!!


ナニその殺し文句は!
それにその上目は反則…


そんな目されちゃったら…


「みなみ休むよ!休んで遥斗看病するよ!」


「いや…仕事は行けよ」


変なとこで大人な遥斗をもどかしく思う。


「じゃあ行ってきますのチュー」


「…ダメ」


「どうして!?」


「風邪が移るだろ!?……くうっ!風邪引いてるうちはみなみにチューもできないのか!」


歯をくいしばった遥斗が突然うつ伏せになって枕を叩いた。


「…みなみ移ってもいいよ」


「だ…ダメだ!」


「みなみに移して遥斗が楽になるなら…」


「みなみ…女神通り越して菩薩だな!…でも…ダメだ…みなみに苦しい思いはさせられない…」


「遥斗!!」




二人の愛を風邪が邪魔する。
私たちがキスしない朝がくるなんて…


憎き風邪菌め…


遥斗、みなみが治してあげるからね!!







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