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限界Lovers
第18章 デキちゃった?
ーーー職場の先輩に子供ができたらしい。
先輩はずっと体調が悪そうだ。
「…大丈夫ですか」
「…平気」
「あんま平気そうじゃないっスね」
資料を作ってくれた先輩は青い顔で仕事を頼むのも気が引けてしまう。
例えるなら風邪を引いた人。
ドラマみたいに突然「うっ!」という感じではなく、常に怠そうに見える。
病気じゃないから薬もなくただ耐えるのみらしいが…
「大変ですね」
かける言葉はそれしかない。
すると先輩はカッと目を見開いて突然捲し立てた。
「男はいつも他人事なのよ!大変だ大変だって口ばっかりで…口で労うのなんて簡単なの!誰にだってできるの!!」
「す…すみません」
俺、何かしただろうか…
すると先輩は突然黙る。
「…ぎもぢわるい」
「えっ?」
「ぎもぢわるい…」
そして口を押さえ早足に去っていった。
「…俺、何かしましたかね」
近くにいたベテランのおばちゃん先輩に訊ねると、おばちゃんはフーッと大きく息を吐く。
「ホルモンよ」
「ホルモン…」
「山下くんは何にも悪くないわ。ただね、陽子ちゃんもどうしようもないの…ホルモンだから」
「はあ…」
……よく分からない。
「あー、分かるホルモンね、情緒不安定になるんですよね」
小学生の子供がいる人がウンウンと賛同している。
それからおばちゃん先輩と主婦の先輩方は妊娠体験を懐かしそうに語りだした。
妊娠話はいつの間にか出産話になり…
「息子産む時病院が切らない方針のとこだったから裂けちゃって~」
「アタシもなかなか産まれなくて看護師さんがお腹の上にまたがって押されてさー」
「………」
その他諸々、そんな話を聞いてしまった俺は、笑いながら恐怖体験を語る先輩たちを…
恐ろしい…
そう思ってしまった。
先輩はずっと体調が悪そうだ。
「…大丈夫ですか」
「…平気」
「あんま平気そうじゃないっスね」
資料を作ってくれた先輩は青い顔で仕事を頼むのも気が引けてしまう。
例えるなら風邪を引いた人。
ドラマみたいに突然「うっ!」という感じではなく、常に怠そうに見える。
病気じゃないから薬もなくただ耐えるのみらしいが…
「大変ですね」
かける言葉はそれしかない。
すると先輩はカッと目を見開いて突然捲し立てた。
「男はいつも他人事なのよ!大変だ大変だって口ばっかりで…口で労うのなんて簡単なの!誰にだってできるの!!」
「す…すみません」
俺、何かしただろうか…
すると先輩は突然黙る。
「…ぎもぢわるい」
「えっ?」
「ぎもぢわるい…」
そして口を押さえ早足に去っていった。
「…俺、何かしましたかね」
近くにいたベテランのおばちゃん先輩に訊ねると、おばちゃんはフーッと大きく息を吐く。
「ホルモンよ」
「ホルモン…」
「山下くんは何にも悪くないわ。ただね、陽子ちゃんもどうしようもないの…ホルモンだから」
「はあ…」
……よく分からない。
「あー、分かるホルモンね、情緒不安定になるんですよね」
小学生の子供がいる人がウンウンと賛同している。
それからおばちゃん先輩と主婦の先輩方は妊娠体験を懐かしそうに語りだした。
妊娠話はいつの間にか出産話になり…
「息子産む時病院が切らない方針のとこだったから裂けちゃって~」
「アタシもなかなか産まれなくて看護師さんがお腹の上にまたがって押されてさー」
「………」
その他諸々、そんな話を聞いてしまった俺は、笑いながら恐怖体験を語る先輩たちを…
恐ろしい…
そう思ってしまった。