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限界Lovers
第20章 影の刺客
「…でね、8年同棲してたんですけど別れて…」


「あらら…」


「もうすぐ30なんですよね。なんか…無駄に時間過ごしちゃったかなって…」


「女はその辺が気になっちゃうもんね」


プレオープンで雑貨屋の店員さんに施術しながら世間話。
このお客さんは8年も同棲しながら少し前に別れてしまったらしい。


「でも…私は思うんだけど同棲は良くない!」


「…だよね?」


「良くない良くない、実家最高!」


「分かる~最高!」


変なノリだけどこれは本心。
…かといって私は同棲なんてしたことないんだけど。



「ウチの弟も春から同棲始めて、この間久々に会ったら結婚するとか言っちゃって」


「えっ!羨ましい…素敵な弟さん」


「いやいや、もー本当最低な男なんだわ」


昔の話だけど二股三股は当たり前だし相当女の子食い散らかしてたみたいだし。


おまけにやっとまともに付き合った大学の時の彼女なんて最低だったし。


どうせ今結婚したい子だってビッチなんでしょ?
アイツの趣味なんてそんな子ばっかだもん…結婚したってすぐ別れるに決まってる。



「ここのスタッフでも同棲してる子が居るんですけど、こないだプロポーズされたとか浮かれててね…もーそういう子って何が違うんだろ…しかもまだ二十歳なんだよね」


「えーっ、若いのに勿体ない」


「羨ましいですよ私は」


「いやいや、勿体ないって!相手オッサンなんじゃないの?」


「私より年下。しかもなかなかのイケメンで…彼女目当てにせっせと通い詰めてたお客さん」


「カーっ!!キャバクラかよ!」



雑貨屋の店員ーーー羽田さんは大きくため息をついた。


「…あ、噂をすれば」


その時、窓から店先の落ち葉を掃いている彼女を羽田さんが発見する。



「あの子ですよあの子」


「へえ…」



…確かに派手でもなくて地味でもない、一見清純そうな見てくれとか、脱がせたらスタイルも良さそうなとことか男は好きそうだと思うけど。


大して興味もなかったからチラチラ見ただけでその時は流していた。




でも事態はとある出来事から一転する。



ある夜、店の片付けをしていると…



「…あ、」


雑貨屋の自動ドアから入ってくる弟を見つけた。














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