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限界Lovers
第20章 影の刺客
ーーそう、私の名前は山下あゆ美、遥斗の姉です。
最近は疎遠だけど昔から奔放な弟の面倒を仕方なく見てきました。
姉なんて損な役割です。
久々に見た遥斗は会社帰りのスーツ姿で妙に浮き足立っていて。
「…そんなに雑貨屋に来るのが嬉しいわけ?…キモ」
首をかしげながらも遥斗なんてどうでもいいから声を掛ける気なんてサラサラない。
「でもお母さんに教えてあげるか」
彼女と暮らすと家を出たまま殆ど音沙駄のない弟。
でもこんなことは学生時代にもあったから私は「またか」としか思わなかったけど…
お母さんが心配してるのよ!
お母さん心配させんじゃないわよバカ遥斗!!
しかも久々に会ったと思ったら「結婚する」なんて言い出しちゃって。
その癖こっちにはその後の報告が一言もない。
結婚するなら相手の家にご挨拶にいかなきゃ…とか遥斗のお嫁さんどんな人かしら…とかね、お母さんはとんでもない愚息でも遥斗の事をいつも心配してるんですよ!
それなのにアイツときたらそんなお母さんの気持ちも考えずに!!!
お母さんが大好きな私は頭に血が上って仕方ない。
少しして帰り支度をした私は店を出る。
すると店先に遥斗を見つけた。
遥斗は店に背を向けボーっと突っ立っている。
何してるんだろうと思いながら声でもかけてやるかと近づこうとすると…
「お待たせ遥斗!」
あの日外を掃いていた彼女が遥斗に駆け寄った。
……成るほどね。
羽田さんの話と遥斗が線で繋がる。
「ごめんね遅くなっちゃった」
「全然、むしろお疲れ」
「お疲れ様は遥斗だよ」
「みなみだってお疲れだろ?今日も弁当美味かったよ、ありがとう」
……何あの会話?
遥斗ってあんなキャラだっけ??
二人は周囲に小花を散らしながらキャッキャしている。
そして私が見ている事にも気づかずに、仲睦まじく寄り添いながら夜の街へ消えていった。
「…何だったのかしら。人違い?」
いや、遥斗だ。そしてあれが彼女…
「はぁ…」
何だか頭が痛い。
でもこれは遥斗の彼女をチェックする絶好のチャンス!
正直雇われ店長で三店舗も任されて、スタッフは集まらないし休みはないしでやってらんないと思ってたけど…
「満更じゃなかったわね」
ポツリ呟いて鼻で笑った。
最近は疎遠だけど昔から奔放な弟の面倒を仕方なく見てきました。
姉なんて損な役割です。
久々に見た遥斗は会社帰りのスーツ姿で妙に浮き足立っていて。
「…そんなに雑貨屋に来るのが嬉しいわけ?…キモ」
首をかしげながらも遥斗なんてどうでもいいから声を掛ける気なんてサラサラない。
「でもお母さんに教えてあげるか」
彼女と暮らすと家を出たまま殆ど音沙駄のない弟。
でもこんなことは学生時代にもあったから私は「またか」としか思わなかったけど…
お母さんが心配してるのよ!
お母さん心配させんじゃないわよバカ遥斗!!
しかも久々に会ったと思ったら「結婚する」なんて言い出しちゃって。
その癖こっちにはその後の報告が一言もない。
結婚するなら相手の家にご挨拶にいかなきゃ…とか遥斗のお嫁さんどんな人かしら…とかね、お母さんはとんでもない愚息でも遥斗の事をいつも心配してるんですよ!
それなのにアイツときたらそんなお母さんの気持ちも考えずに!!!
お母さんが大好きな私は頭に血が上って仕方ない。
少しして帰り支度をした私は店を出る。
すると店先に遥斗を見つけた。
遥斗は店に背を向けボーっと突っ立っている。
何してるんだろうと思いながら声でもかけてやるかと近づこうとすると…
「お待たせ遥斗!」
あの日外を掃いていた彼女が遥斗に駆け寄った。
……成るほどね。
羽田さんの話と遥斗が線で繋がる。
「ごめんね遅くなっちゃった」
「全然、むしろお疲れ」
「お疲れ様は遥斗だよ」
「みなみだってお疲れだろ?今日も弁当美味かったよ、ありがとう」
……何あの会話?
遥斗ってあんなキャラだっけ??
二人は周囲に小花を散らしながらキャッキャしている。
そして私が見ている事にも気づかずに、仲睦まじく寄り添いながら夜の街へ消えていった。
「…何だったのかしら。人違い?」
いや、遥斗だ。そしてあれが彼女…
「はぁ…」
何だか頭が痛い。
でもこれは遥斗の彼女をチェックする絶好のチャンス!
正直雇われ店長で三店舗も任されて、スタッフは集まらないし休みはないしでやってらんないと思ってたけど…
「満更じゃなかったわね」
ポツリ呟いて鼻で笑った。