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限界Lovers
第21章 BBQパニック
並木さんの言ってる意味は結局分からないままみんなの元へ戻る。


「みなみ」


遥斗は私を見つけるとすぐ心配そうに駆け寄った。


「ごめんね」


「いや…みなみが悪い訳じゃ…並木さんもありがとな」


遥斗を見る並木さんは何とも取れない表情を浮かべ、会社の人の輪の中へ入っていった。


「…高橋さんは?」


「みなみが気にすることじゃない」


「でも私ちゃんと話してこようかな…」


「ダメだ」


「どうして?」


遥斗は人に見えないよう私の手を握った。


「高橋が本気だから」


「本気になられるほど私高橋さんと話したことないし…それにもし本当にそうだとしたら尚更だよ」


「ダメ」


ギューッ…
遥斗の握る力がどんどん強くなる。


「遥斗…」


「………」


「…でも行く」


「行ってどうするんだよ」


「遥斗が好きだからごめんなさいって言う 」


「必要ない」


「………行ってくる」



遥斗の手からすり抜けて高橋さんを探した。
会社の人たちはお酒が入って上機嫌で、お喋りにも華が咲いていて。


奥さんたちは豚汁を作ったり焼きそばを焼いたり…


子供たちはシャボン玉を吹いてフワフワとシャボン玉が空に舞う。



『煙いから端の方…』
高橋さんとの会話を思い出して野生の感で「公園の端」を目指した。



さっき並木さんと話した東屋を左に通り過ぎようとした時…



「みなみ!」


後ろから遥斗に抱き締め捕まる。



「は、遥斗?」


「どうして高橋をそんなに気にする?」


「どうしてって…」


遥斗以外に想われても困るから。



早く他を見て…って…



でもそれは本当は並木さんに言いたかった言葉。
…並木さんの気持ちを見てしまったから。


遥斗は私のものだから全部忘れてって…


遥斗と並木さんをまんま高橋さんに投影してる。



本当は遥斗が揺れなくてもこれ以上足掻いてなんか欲しくない。


遥斗の事を好きな女は世界で私だけでいい。


人知れず消えていく波紋みたいに並木さんの気持ちも消えてしまえばいいのになんて…


「みなみ…」



……酷い女。





遥斗は私の心なんて分かってない。
ただ高橋さんに嫉妬して、私を行かせまいと引き留める。















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