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限界Lovers
第21章 BBQパニック
「ごめん、信じられないんじゃなくて心配」


「心配?」


「みなみを誰かに取られるんじゃないかって心配」


「………」


気持ちの根本は同じなのかな…


その一言で頑なだった気持ちが溶けていく。


「みなみも心配…」


「何が心配?俺こんなにみなみだけなのに!」


「高橋さんは“事務の子”としか言ってないのに遥斗が当たり前みたいに名前出すから…」


「だーかーらー…」


「フフっ、でも本当に心配なんだから」


ピリピリしてた喧嘩だっていつの間にか空気の色が変わってて。





それから、仲直りのキスをしてまたみんなのところに戻るとミラクル!


私のおにぎりが売り切れていた!



「なんかね、美味しかったよおにぎり」


「!」


二切れ残りのアップルパイをチラ見して心の中でガッツポーズ。


「当たり前ですよ陽子さん。みなみのおにぎりは世界一ですから!」


「はいはい、いつまで経っても帰ってこないからどうしたかと思ったけど…涼子ちゃんが肉取っといてくれたから食べな食べな」


涼子ちゃん?


キョロキョロ周りを見回すと並木さんと目が合って…


並木さんはフイっと目を反らしたけど「涼子ちゃん」が誰なのか分かった気がした。


「何か散々だったな」


「…でも来て良かった」


「マジかよ」


遥斗はげんなりしていたけど私は思う。


遥斗の周りが知れて良かったし…ライバルがいることも分かったしね。


「こういうのもたまにはいいな!また家族同伴のイベントしましょう、みなみさん!」


お子さんを抱いた課長さんがチューハイ片手に赤い顔で笑ってる。


「課長!俺通り越してみなみに行かないでください!」



「あははは」





気持ちいいほどの秋空の下、ちょっと冷めた肉を食べながら…バタバタしたバーベキューは幕を降ろすのでした。









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