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限界Lovers
第23章 悶々しちゃうの
「ねぇ!変じゃない!?」


「変じゃないって」


「どうしよう…緊張する…」


もう何度目か分からない私の戯言に遥斗は呆れ顔。


「そんな緊張するような立派な親じゃないし、みなみはいつものみなみで平気だから」


「そうは言ったってさ…」


手土産のマドレーヌの入った紙袋を後ろ手に、不貞腐れた私は口を尖らせる。


……遥斗はウチに挨拶に来る方が先だとずっと譲らなかったけど半ば強引に挨拶に行かせてもらうことにした私。


その理由はもちろん……


ーーーーアユミさん。






先週、お昼にアユミさんに呼ばれた私。


てっきり約束の遥斗のプリクラをくれるのかと大喜びで行ったら尊大な態度のアユミさんが待ち構えていた。


「プリクラ貰いに来ました♪」


「は!?」


ギロッとアユミさんに睨まれキョトンとすると、そこに座れとアユミさんはチョイチョイ指だけで指図する。


そして大人しく言われるまま座る私に彼女は言った。


「ねぇ!いつになったらウチに来るワケ!?」


……苛々を隠しもせずに。


「遥斗が私の家に挨拶したら行くって」


「一ノ瀬さんちにはいつ行くのよ!」


「えっと…両親の予定が合わなくてまだ…」


「そんなことしてたら年越しちゃうじゃない!」



年越したら何かマズいの?と思いながらアユミさんの話を聞いているとどうやら新年、親戚の人たちに報告する関係のようだ。


「お嫁さんの顔も知らないんじゃお母さんの立場がないでしょ!」


「…スミマセン」


アユミさんってお姑さんみたい。
それにしても遙斗と性格違いすぎるよ…なんて思いながらとりあえず謝ってみた。


「まあね、遥斗も遥斗なんだけど…その分一ノ瀬さんにしっかりしてもらわないと」


「………」


「…ってことでプリクラはウチに二人で来たらあげるから」


「ズ!ズルい!!話が違う!!」


「……何?」


「何でもないです…」


蛇に睨まれた蛙の気持ちがすっごい分かると思った矢先…


「ちゃんとウチに来れたら昔の遥斗の写真もつけるからね♪」


お義姉様っっ!!



「行きます!!すぐに行きますから今度こそ約束ですよ?」


「分かってるわよー」


今度こそ若かりし遥斗が私のものに!
その日、帰宅した私が渋る遥斗に我儘言ったのは言うまでもない。
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