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限界Lovers
第23章 悶々しちゃうの
身体が怠くて重い。
でも甘くて気持ちいい。
上に乗る遥斗も重いのに心地好く感じる。


「風呂…入る?」


「うん…」




それから二人でお風呂に入り、一緒にベッドに入った。
ほどなくして遥斗からスヤスヤと寝息が聞こえ…


「………」


よく寝ていることを確認して遥斗の腕を抜ける。
抱えられた腕を外すことに罪悪感を覚えながらも私の心は他のことに向かっていた。


寝室のドアをそっと閉め、リビングの灯りをつける。
そしてバッグの中からアユミさんに貰った紙袋を取り出し…


「大切にさせていただきます」


とりあえず合掌。


ワクワクしながらプリクラを取り出した私だったが…


「なんじゃこりゃー!!!」


思わず出てしまった大声に口を押さえた。
息を潜め遥斗が起きてないことを確認すると改めてプリクラを手に取る。


「な…何コレ…」


ワナワナと手が震える。


高校生の遥斗は今と違ってチャラい感じだけどまだ幼くて可愛らしい。


……が、どのプリクラもどのプリクラも女の子とのツーショットばかりだ。


しかも全部密着してるし…


「これなんてキスしてる…」


ガッツリと口と口で。


“はると大スキ”とか“結婚しようね”とかそんな落書きをぼんやり見ていたら悲しくなった。


女の子は一人じゃなくて色んな子と撮っていた。
何枚もある子もいれば一枚きりの子もいる。
でもどの子もみんな可愛い子だった。


これがアユミさんの言う“だらしなさ”なのだろうか…
さっきとは一転落ちる私。


「…写真だ」


写真の遥斗はプリクラより落ち着いている。
大学生くらいだろうか。


みんなで撮ったものとやっぱり女の子と撮ったもの。
遥斗から抱いている写真の彼女はとても綺麗な人だった。


「この人は元カノなのかな…」


遥斗からそんな話を聞いたことはない。
でも普通に彼女の一人や二人は居たんだろうって…恋愛を知っている雰囲気を感じ取ってはいた。


「…でも思ったより多すぎる」


私の知らない遥斗。
私の知らない遥斗の22年…


遥斗のキスを知っている子は私だけじゃない。


セックスだって…





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