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限界Lovers
第24章 雲行き
「んー…ご飯にしようか」


「………」


「遥斗?」


「ヤバイ緊張する…」


「早すぎるよ。金曜まで緊張してるの?」


「してるかもな…」


いざ日にちが決まると落ち着かない。


それから服を着てリビングに移るとテーブルの上にはプリクラと写真が散らばっていた。


「…そういえばコレどうしたの?」


「えっ?コレ?…こないだ遥斗の部屋で見つけた」


「嘘だろ?俺だってしばらく見てなかったようなモンじゃねーか…」


「………」


「姉貴か?」


「ち、違っ!!」


「アイツ以外に居ないだろ」


「………」


嘘が下手な彼女はいいな。
余計な詮索をしないで済む。


みなみは気まずそうに目を反らす。
きっとどう誤魔化そうか巡らせているんだろう。


「みなみ妙に機嫌良かったしアイツのこといい人だの何だの…どういう経緯でそうなったら知らないけどホントろくなことしないヤツだよな」


「お、お姉さんには言わないで!!」


切実な顔でみなみがすがり付く。
アイツのことだから口止めもしてるんだろう。
文句を言いたいのは山々だけど、この先みなみが不利になるのは可哀想だ。


「この他には?」


「こ、これだけ…」


「…余計な話とか聞かされてない?」


「余計な話…って?」


みなみの口調が探りだした。
やっと丸く収まったのに自ら話をややこしくすることもない。


「子供の頃の話とか…何もなければいいよ。コレ捨てるよ」


ざっとプリクラを集めるとみなみが止める。


「ダメ!それはみなみの血と涙と汗の結晶…」


「は?」


「……とにかくダメ!これは何かあったときの切り札だから」


「なんだそれ怖いな」


いそいそとプリクラたちをまた紙袋にしまうみなみ。
女の気持ちはよく分からない…


それにしても今日は色々な事があった。
妙に日和が頭をちらついたが頭を振って無理矢理消す。


「遥斗?頭痛いの?」


「えっ…いや、…それより早く飯にしよ。手伝うから」


みなみの背中を押してキッチンに。
不思議そうなみなみに冷や汗をかきながらこれから何もありませんようにと何故か願うのだった。






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