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限界Lovers
第28章 Difficult problem
「嫌だ雪・・・」


「積もらないといいよね」


二人で空を見上げると地面に吸い込まれるように雪が落ちてくる。


「・・・さて、私は引越しの片付け頑張んなきゃ。年明けには落ち着くはずだからそしたら遥斗さんと遊びに来てね」


「うん、是非!・・・じゃあまたね。片付け頑張って」


手を振ってきーちゃんと別れ家の方に歩き出した。


「・・・・・・」


“降ったら迎えに行くから”という遥斗の言葉が思い出される。
携帯を取り出して遥斗に電話すると・・・


『もしもし』


「もしもし・・・遥斗?」


『雪降ったな』


「うん、だからね・・・」


白く溶ける息を楽しみながら居場所の説明をしようとすると少し先に見慣れた姿を見つけてしまった。


『そろそろかと思って俺も出てきてみた。・・・みなみは今どこ?』


遥斗は全然気づいてない。
携帯を宛てたままクルリと背を向け私との話に真剣だ。


「今ね・・・」


ソロリソロリと近づいて「ここだよ!」と背中に抱きつくと大袈裟なくらい驚く遥斗。


「うわっ!」


「冷たい!」


傘の雪が私に降ってきて、反射的に払うと遥斗も雫を払ってくれた。


「バーカ、天罰だ」


「だって遥斗が見えたから・・・」


ふざけて口を尖らせる私を傘に入れてくれて、私はピッタリと遥斗に寄り添った。
・・・二人で居ると一人の時よりずっと暖かい。


「積もらないうちに帰ろうぜ。スーパー寄ってく?」


「うん!」


何だか無性に嬉しくて遥斗の腕に絡みつくと遥斗も嬉しそうに見えた。
二人でいれば色んなことがあるけれど、それでもやっぱり二人で居る意味はちゃんとあるんだと思う。



どの人もどの人も・・・だから人は人を好きになるんじゃないだろうか。



沢山のすれ違う人を見ながらそんな結論に辿りついた。







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