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限界Lovers
第31章 初めて記念日
―――そもそも俺のみなみへの性欲は出会った頃から発動していた。


笑顔が可愛い子だと思った。
この子と仲良くなりたいと・・・この子と付き合いたいと・・・ひいてはヤリたいと。


まずその為にはみなみに俺を覚えてもらわなければならない。
だからせっせと雑貨屋に通った。


みなみを見つけては話し掛け、みなみのレジに必ず並ぶ。
稀にある「二番目にお待ちのお客様~」の誘い文句にも屈しなかった。
笑顔で後ろの人にレジを譲った。


俺の目的は買い物なんかじゃなかったから。
“みなみちゃん”と仲良くなる事だったから・・・



それから夏が来て、とうとうみなみを食事に誘った。
女の子にこんなに時間をかけたのは初めてだった。


その理由は一つ、みなみの気持ちが今ひとつ分からなかったから。
俺は自分に自信がない方じゃない。女の子の気持ちにも鈍感な方じゃない。


「イケる」「イケない」の見極めはそれなりにできるつもりでいた。
それに誘ってしまえばこっちのもの・・・
女心のツボをついて懐に入ってしまえばエッチまでは簡単だ。


付き合うかどうかもエッチしながら情を移してしまえばどうにでもなる。


だから逆に誘って引かれてしまえばそれまでなのだ。


そのタイミングの見極め・・・それだけに三ヶ月も費やしてしまった。
普通なら一週間以内にどうにでもなる事に三ヶ月・・・


有り得ない・・・


有り得ないからこれは今夜いただかないことには気が収まらない・・・


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