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限界Lovers
第8章 鈴木将太の憂鬱
そして携帯を耳に当てる。
「もしもし、…うん、今ね、ちょっと出てるの……うん、大丈夫」
微かに聞こえる相手の声は女の子のものじゃない。
「えっ!?本当!?……うん、分かった。何食べたい?」
嬉しそうな顔と声。
相手が誰かなんて聞くまでもない…
「もう…バカ、……うん。分かった、待ってるね。……それも楽しみにしてる」
最後頬を染めてみなみちゃんは電話を切った。
「彼氏?」
「そう、早く仕事が片付いたからこれから帰れるって」
「………そう、良かったね」
「ごちそうさまでした。私買い物に行かなきゃ」
「大変だ」
「ふふっ、遥斗のためなら大変じゃないんです」
「……ははっ、ご馳走様」
みなみちゃんは痛む僕の胸なんかに気づくことなく帰っていった。
僕の想いだけを膨らませて……
その夜、隣の部屋の玄関が開いたのは夜遅くなってからで…いつもよりずっと遅い時間にみなみちゃんの声が聞こえた。
『遥斗……んっ…ああっ!』
「………」
その夜の僕はちっとも興奮なんかしなかった。
胸が痛くて痛くて……
みなみちゃんの綺麗な身体が目に浮かぶ。
あの身体が今、他の男に愛されている…
みなみちゃんの心も身体も僕のものじゃなくて彼氏のものだって思い知らされて……
「みなみちゃん…」
ちっとも興奮なんかしてないはずなのに身体だけが反応する。
そんな自分がまた悲しい。
その日、僕は眠れなかった。
ちらつくみなみちゃんの裸と胸の痛みが眠気を妨げる。
「……みなみちゃん、好きだよみなみちゃん」
神様、もう一つだけ願いを叶えてくれるなら…
みなみちゃんを僕にください。
最初の願いは僕には酷なだけでした。
すごくすごく大事にします。
だからみなみちゃんをください…
知らない方が幸せなこともあると身を持って知った夜だった……
思い出すだけでカチカチな半身にため息をついて、想いの丈を吐き出すために手を伸ばす僕だった。
「もしもし、…うん、今ね、ちょっと出てるの……うん、大丈夫」
微かに聞こえる相手の声は女の子のものじゃない。
「えっ!?本当!?……うん、分かった。何食べたい?」
嬉しそうな顔と声。
相手が誰かなんて聞くまでもない…
「もう…バカ、……うん。分かった、待ってるね。……それも楽しみにしてる」
最後頬を染めてみなみちゃんは電話を切った。
「彼氏?」
「そう、早く仕事が片付いたからこれから帰れるって」
「………そう、良かったね」
「ごちそうさまでした。私買い物に行かなきゃ」
「大変だ」
「ふふっ、遥斗のためなら大変じゃないんです」
「……ははっ、ご馳走様」
みなみちゃんは痛む僕の胸なんかに気づくことなく帰っていった。
僕の想いだけを膨らませて……
その夜、隣の部屋の玄関が開いたのは夜遅くなってからで…いつもよりずっと遅い時間にみなみちゃんの声が聞こえた。
『遥斗……んっ…ああっ!』
「………」
その夜の僕はちっとも興奮なんかしなかった。
胸が痛くて痛くて……
みなみちゃんの綺麗な身体が目に浮かぶ。
あの身体が今、他の男に愛されている…
みなみちゃんの心も身体も僕のものじゃなくて彼氏のものだって思い知らされて……
「みなみちゃん…」
ちっとも興奮なんかしてないはずなのに身体だけが反応する。
そんな自分がまた悲しい。
その日、僕は眠れなかった。
ちらつくみなみちゃんの裸と胸の痛みが眠気を妨げる。
「……みなみちゃん、好きだよみなみちゃん」
神様、もう一つだけ願いを叶えてくれるなら…
みなみちゃんを僕にください。
最初の願いは僕には酷なだけでした。
すごくすごく大事にします。
だからみなみちゃんをください…
知らない方が幸せなこともあると身を持って知った夜だった……
思い出すだけでカチカチな半身にため息をついて、想いの丈を吐き出すために手を伸ばす僕だった。