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限界Lovers
第10章 カルテット★ナイト
カルテット★ナイト…
駅から裏道に反れた場所にあるこの店はアタシのお店。
元々は名前の通り四人でやっていたこのお店もいろいろあって、今いるのはアタシと玉美だけ…
客足はまあまあ。
お客さんの殆どはアラサーアラフォーの働く女で、男の愚痴や仕事の愚痴をアタシや玉美にぶちまけて飲んでいく。
今日一番のお客さんは漫画家の理奈子。
この子は「くるみあん」っていうペンネームでBLを描いてるんだけどまあ…なんていうか月並み。
本人も痛いほどそれを自覚していて、それが悩みの種でもあるみたい。
「…ママはさぁ…恋愛とか最近どうなのよ」
煙草を吐き出しながらつまらなそうにアタシに振るオッサンみたいな理奈子。
「最近ね、いい出会いがあって」
「ウッソ、マジかよ」
「でも彼女持ちなのよ」
「あー…相手はノン気?」
「そうなのよ」
「フーン、年は?」
「20代半ばくらいかしら」
「ウッソ!息子じゃん!」
「息子じゃないわよ!…それに恋愛に年は関係ないじゃない…そういうアンタはどうなのよ」
「んー…こないだ知り合った子と遊んだんだわ」
「へぇ…」
「可愛かったんだけどもう少し胸が欲しかったかな」
「贅沢言うんじゃないわよ。アタシなんて何年ご無沙汰だと思ってんのよ」
「フフっ、喰えるといいねー、その子」
「喰うだなんて下品ねー」
「でもママなら“喰う”以外の表現ないっしょ」
理奈子は愉しそうに煙草を揉み消した。
ーー彼女は俗に言うレズで女の子を愛してやまない。
人生って8割が平凡だと思うでしょ?
男と女が出会って愛し合って結ばれる…
ところがそうばかりじゃないみたい。
アタシも含めてね。
だからアタシが言うのも何だけど、ここに居ると何が普通か分からなくなる。
ここではアタシたちが普通だから…
駅から裏道に反れた場所にあるこの店はアタシのお店。
元々は名前の通り四人でやっていたこのお店もいろいろあって、今いるのはアタシと玉美だけ…
客足はまあまあ。
お客さんの殆どはアラサーアラフォーの働く女で、男の愚痴や仕事の愚痴をアタシや玉美にぶちまけて飲んでいく。
今日一番のお客さんは漫画家の理奈子。
この子は「くるみあん」っていうペンネームでBLを描いてるんだけどまあ…なんていうか月並み。
本人も痛いほどそれを自覚していて、それが悩みの種でもあるみたい。
「…ママはさぁ…恋愛とか最近どうなのよ」
煙草を吐き出しながらつまらなそうにアタシに振るオッサンみたいな理奈子。
「最近ね、いい出会いがあって」
「ウッソ、マジかよ」
「でも彼女持ちなのよ」
「あー…相手はノン気?」
「そうなのよ」
「フーン、年は?」
「20代半ばくらいかしら」
「ウッソ!息子じゃん!」
「息子じゃないわよ!…それに恋愛に年は関係ないじゃない…そういうアンタはどうなのよ」
「んー…こないだ知り合った子と遊んだんだわ」
「へぇ…」
「可愛かったんだけどもう少し胸が欲しかったかな」
「贅沢言うんじゃないわよ。アタシなんて何年ご無沙汰だと思ってんのよ」
「フフっ、喰えるといいねー、その子」
「喰うだなんて下品ねー」
「でもママなら“喰う”以外の表現ないっしょ」
理奈子は愉しそうに煙草を揉み消した。
ーー彼女は俗に言うレズで女の子を愛してやまない。
人生って8割が平凡だと思うでしょ?
男と女が出会って愛し合って結ばれる…
ところがそうばかりじゃないみたい。
アタシも含めてね。
だからアタシが言うのも何だけど、ここに居ると何が普通か分からなくなる。
ここではアタシたちが普通だから…