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限界Lovers
第10章 カルテット★ナイト
「あーん、いいわぁ行きたーい」


アタシと理奈子が話している隣で旅番組を見ていた玉美が叫んだ。



「ねぇママ、温泉行きましょうよ~慰安旅行~」


「アタシと玉美で?」


「何なら常連さんも誘ってー。理奈ちゃん行かない?」


「いいねー温泉!締切被んなきゃあたしも行きたいわ」


「じゃあ決定!少し涼しくなってからがいいわよね」



行動が早い玉美はスマホを取り出し旅サイトを開いてどこがいいそこがいいと探し出した。



「温泉ねぇ…」


「…ところでママも玉ちゃんも男湯と女湯どっち入るの?」


「そんなの!男湯に決まってるじゃない!!」


「こんなチャンス逃せるはずないじゃない!」


「あはははは!」


「笑ってる場合じゃないでしょ?アンタもよーアンタも!」





ーーーそれから玉美と理奈子と冗談言いながら案を練ってたら、めんどくさくなってもう三人でいっかという結論になった。



「じゃあ10月17、18で決定ね~」



行き先も宿も決め玉美が予約を取る。



「露天風呂が広ーいんですってぇー!あーん!楽しみぃ!」


「おし!それまでバリバリ仕事すっぞ!」


「本当オッサンねアンタ…」




温泉…本当は遥斗くんも誘いたいけど…



「ママっ!いい出会いがあったらどうしましょう!」


「男同士で温泉なんてなかなかないんじゃない!? 」



「もう!夢がないんだから…何ならご用聞きのオニイサンにお布団敷いてもらってそのまま…」



「犯罪犯罪!」


「んまっ失礼しちゃう!理奈ちゃんだってなきにしもあらずじゃない!怖いわよー肉食女子は」



「…仲居さんの地味な着物ってソソルよね」


「ホラー!あたしより理奈ちゃんの方が危険よ!」




テンションの高い二人の会話を笑いながら聞いていた。




日頃の疲れを取るには丁度良いかも。




まだ少し先の予定を頭に入れながらもう心は温泉に飛んでいる夜だった。







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