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限界Lovers
第10章 カルテット★ナイト
ーーーー隣の真田さんが温泉の予定を立ててる頃、僕はバイトの真っ最中だった。
「温泉?」
「そうそう、バイトのみんなで行こうって話が出てんだよ」
「へえ…」
僕の働くコンビニには大学生が二人と専門学生が一人、フリーターが一人いる。
昼間は主婦のおばさま…もとい、オネエ様方がいる。
…とても頼りになるオネエ様方だ。
今話をしてるのはフリーターの高梨君。
高梨君は色んな時間に入るからとても顔が広く、人見知りな僕とは違って人懐こいからオネエ様方にすごく可愛がられている。
もちろん学生の女の子たちにも店長にも…
「…でも夜が全員抜けたら困るんじゃないかな」
「ヘーキヘーキ、そん時は昼間のおばさんが入ってくれるって。夜中は店長が出てくれるってさ」
「すごいね…話ができてるんだ」
「当然!だから鈴っちも行こうぜ!」
「うん、それなら…」
「菜々ちゃんも凛子さんも行くっていうから…」
そこで高梨くんは僕の肩を組んでグッと引き寄せた。
「俺菜々ちゃんとうまくいきたいんだわ…頼む、鈴っち!!」
「ええっ!頼むって…何すればいいの!?」
「別に…俺と菜々ちゃん二人でいる時間を多くしてくれればテキトーにやるから!」
「なんだ…それくらいなら」
ホッとして肩の力が抜けると高梨君が「ありがとう」と抱きついてきた。
「ちょっと雰囲気のいい旅館にするから鈴っちも旅費貯めとくように!」
「了解」