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ビターチョコレート
第6章 形。

私は壊れてしまった。
でも、翔太を巻き込んで地獄を彷徨うよりも、
地獄を抱えて、
何にも楽しみのない、
このクズ男を見下しながら、
生きる道を選んだ。
裏切られたのだから、
この男に尽くしたり、
操を立てる必要もない。
憎しみを抱えて生きるのだから、
この男に何をしても、
許されると思った。
不倫、
間違ってるわよ?
えぇ、知ってるわ。
『そんな男を見限って、
離婚すればいいじゃない?』
って、簡単に言えちゃう人はね、
尊敬するわよ。
本当に誰にも頼らなければね。
帰れる実家に帰って親に泣きつける人は、
幸せよ。
私にはそんな場所がなかった。
実家は兄夫婦が継いでいて、
母も父も若くない。
その上、母が癌で入退院を繰り返していた。
何にも援助も出来ない私が、
出戻りになって、翔太を連れて帰る場所なんて、
何処にもなかった。
でも、翔太を巻き込んで地獄を彷徨うよりも、
地獄を抱えて、
何にも楽しみのない、
このクズ男を見下しながら、
生きる道を選んだ。
裏切られたのだから、
この男に尽くしたり、
操を立てる必要もない。
憎しみを抱えて生きるのだから、
この男に何をしても、
許されると思った。
不倫、
間違ってるわよ?
えぇ、知ってるわ。
『そんな男を見限って、
離婚すればいいじゃない?』
って、簡単に言えちゃう人はね、
尊敬するわよ。
本当に誰にも頼らなければね。
帰れる実家に帰って親に泣きつける人は、
幸せよ。
私にはそんな場所がなかった。
実家は兄夫婦が継いでいて、
母も父も若くない。
その上、母が癌で入退院を繰り返していた。
何にも援助も出来ない私が、
出戻りになって、翔太を連れて帰る場所なんて、
何処にもなかった。

