パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第6章 形。

母子家庭になる。

そうね、賢い女ならスッパリ決断するわね。

でもね、そんなに簡単じゃないの。

口では簡単に言うわよ。
離婚するって。
あんな男と暮らすより、
母子家庭でも、
ささやかでも子供との幸せを考えるって。

そう言い切れる女の、何%がそれを貫くの？

自分一人ならいいわよ。
一人なら身軽よ。

性格の不一致とかの理由で離婚しても、
自分一人の間違いで済むから。

子供が居たらどう？

子供が居たら‥‥‥‥
賢い選択が鈍らない？


不倫は悪いわよ。
嫌悪されて当然よ。

でもね、
そんな男を選んだあなたが悪いとか、
何にも知らずに言えてしまえる人って、
正直ムカつくわ。

この上なく、
図々しく、自分勝手と、
自覚あんのよ！

分かっているのよ‥‥‥

不倫の相談や家庭の事情を、
ネットなどの掲示板に相談すると、

その投げかけに対して、
批判と見下ししかしない人が存在する。

私は、そういう人に嫌悪感を覚えた。

ねぇ、
バカな事をしていて、
いっぱい悩んで、
悩んでも答えなんて出なくて、
それでも藁をも掴む気持ちを分かって欲しいだなんて、
言わない。
同情してとも言わない。


だけど、
悪いものを悪いと強く批判し、
言いたい放題のあんた達は、
そんなに偉いの？

所詮、あなた達は正しいわよ。


そうね、完全な僻みよ。
あなた達より、私は足りないのよ。


足りないながらにもね、
精一杯考えて、我慢した結果の、
地獄なの。

批判も否定も罪悪感も、
全て抱えたとしても、
狡い逃げ道だとしても、
不倫を選んだ。

不倫を肯定なんてしない。
だけど否定もしたくない。


そんな私は‥‥‥‥
ずっと闇を抱えたまま‥‥
本当の笑顔を失っていたのだから‥‥