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ビターチョコレート
第6章 形。
私は綺麗になったリビングの、
ソファーに座り込んで、
冷蔵庫から取り出したビールを飲んだ。

ジワジワとビールの苦味が喉に伝わる。

ビールを美味しいと思った事は、
ほんの数回しかない。

夏の暑い日に、
やっと仕事が終わって、
居酒屋に入り、
冷えた店内の中で飲む、
ジョッキごと凍った生ビール。

あれが一番美味しかった。

ビールはいつまで経っても、
苦い。

大人になって味覚が変わった訳でもない。

ビールの美味さは、
充実した中で生まれる癒やしなのかもしれない?

美味しいと思える空間飲めば、美味しい。

一人でヤケ酒する私は‥‥‥
忘れてしまいたい事の意識を飛ばしているに過ぎない。


飲み込むように、グイグイと虚しく押し込んでるだけ。
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