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ラブ❤ゲー!
第2章 2章 なってあげる
それに私はお姫様って呼ばれる柄じゃないから。
早く名前を付けて、その扱いから脱却したい。

……だからこそ、男の人の褒めれる点を見つけてもあえて褒めない。
この癖は、元彼と付き合い始めてから始まった気がする。
元彼が男性と仲良くする私を見て嫉妬するから、その時からの癖なんだ。

それなのに、こんな扱いしてくれる皆はいい人なんだと思う。


「そんな事ないよ、十分可愛いよ。自信持ってね」

リヒトさんが甘い微笑みをくれる。
けれども、私が期待してた台詞はそれじゃない。

皆が座ってる椅子に、私は一人用のソファーで座っているけど、やっぱり男性ばかりの中に女一人というのはちょっと悪い気がしてくるんだ。
……さっさとたっくんを見つけて、ゲームを止めよう。

「古典的な、アリスとかマリアはとられてるしな」
「ノエルとか、お菓子の名前も全滅だね」

私のナビを受け取って、皆は名前を思いつく限り入力している。
完全にお任せしているから文句は言えないんだけど、とりあえずはアリスさんとマリアさんありがとうございます。
可愛らしすぎる名前って、自分の名前を言う時に恥ずかしくなるし、言われたくもないから。

「や、やっぱり聖でいいよ」
「なんていうかさ、聖って名前似合わないよ」

気に入ってた名前だけに、なんかショックが大きい。
驚きながら皆を見つめていると、どうやらなかなか名前は決まらないみたい。

そうして、数分たって私が眠りかけていたときにいきなりアラームが鳴った。

画面のウィンドウには 『名前を決定しました』 と書いてある。

「ねぇ、どんな名前にしたの?」
「ふふっ、ナビを見てからのお楽しみ」

そう、リヒトさんに言われて渡されたナビには、なんと……

名前:姫

本当にそう書いてあった。
これから、ヴァーチャル世界でこの名前で過ごすのかと思うと一気に目の前が真っ暗になる。
どれだけ自意識過剰なら、この名前になるんだろう?
皆嫌で登録しなかったそんな名前がつけられた私。

たっくんを見つける前に止めそうです。

「姫ちゃーん、レベ上げどうする?」
「おい、姫。さっさと決めろ」
「えー、姫ちゃん俺とシよ?」
「……なんか、ごめん」

その言葉で、誰が名前を付けたのかわかった。
ユリアンさんを涙目でじっと見つめると、肩をすくめられてしまう。
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