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MonsterFucker(ライト版)
第2章 読みきり(中)
ハーピーは上空からライクに脚爪を向けて鷹のよう急降下した。
ライクは紙一重で見切り、後方に下がった。
ハーピーの一撃は大地を揺るがすような着地でもあった。
粉塵が舞い、視界が悪いと思ったライクはさらに後ろに下がり、無双正宗を構えなおす。
畑の砂煙が落ち着く頃には、ハーピーはまたも上空で羽ばたいていた。
逃げようとは思わないようだ。
再び、上空の風が突風に変わるのを感じだライクは、
「シルフよ、天使から風を奪うのだ!」
ライクは半妖精である。
風の精霊魔法を唱えると、ハーピーの周囲に白い空気の流れが生じた。
彼女は突然的に絶叫を上げて墜落する。
地面に背中から落ちたハーピーは、のた打ち回る。
そこに、ライクの剣がハーピーの喉元に突きつけられた。
「なっ!?」
常勝無敗のハーピーはあっけなく負けたことで放心状態となった。
多対一で勝利してきただけにショックも大きかったのだろう。
「かわいそうだが、捕縛する…」
ライクは華麗な動きで剣を鞘に収めると、腰のポーチからロープを取り出した。
ロープを見たハーピーは、我に返り―
「お、お願い! 逃がしてください」
ハーピーは泣きながら、捕縛を拒絶した。
彼女の運命は、火あぶりの刑である。
この村で盗みを働いた罪人は火あぶりという決まりがあるからだ。
「バカを言うな」