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みんな同じ空の下
第11章 軟禁生活
「…言っておくが、毒は入れていない」
「…貴方が作ったのですか?」
「ああ」
「…」
卵の入った粥は基本的に火北地方の者にしか作れない。
シバは火北地方の出身なのだろうか。
「冷めるぞ」とシバに促され、リノが椀を受け取り、匙で粥を掬う。
息を吹きかけて粥の熱を冷ましてから、口に含むと、ほんのり甘い味が広がりだした。
「…」
懐かしい味だ。
「美味いか」
「はい」
あんなにも食欲が出なかったのに、今は匙を動かす手が止まる様子がない。
「………そうか」
シバが、ほっとしたように微笑んだ。
その表情を見たリノは心の奥がざわめいたような感覚を覚えた。
「…貴方が作ったのですか?」
「ああ」
「…」
卵の入った粥は基本的に火北地方の者にしか作れない。
シバは火北地方の出身なのだろうか。
「冷めるぞ」とシバに促され、リノが椀を受け取り、匙で粥を掬う。
息を吹きかけて粥の熱を冷ましてから、口に含むと、ほんのり甘い味が広がりだした。
「…」
懐かしい味だ。
「美味いか」
「はい」
あんなにも食欲が出なかったのに、今は匙を動かす手が止まる様子がない。
「………そうか」
シバが、ほっとしたように微笑んだ。
その表情を見たリノは心の奥がざわめいたような感覚を覚えた。