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みんな同じ空の下
第17章 シバ・スニヤ ~其の弐:龍を咬む者~
*
シバが二十四になる年。この頃から王都の警備局が自分たちの存在に気付き始めた。
今までは地方の警備部が各々で動いていたから、拠点を変えるだけで追跡を逃れられたが、警備局は違う。
警備局の支部の一つに過ぎない警備部は決められた範囲でしか活動が出来ない。しかし、王都を中心として活動をしているものの、必要があれば国中あらゆる場所の調査や追跡を行うのが警備局だ。
警備局の目をかい潜り、拠点地に乗り込まれる前に移動する。その為には警備局の内部情報が必要だった。
「警備局の情報が欲しい。できるだけ正確で詳細な情報だ」
男は警備局内部の情報も把握し、知り得る限りの情報を会う度にシバに渡していたが、今のように、指定された日時に会う方法では情報の取得に遅れが生じる。動きがある度にシバに報告が上がるように、王都に一人、咬龍団の人間を置き、男からの情報を伝達する役目を任せることにした。