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第21章 偽りの恋と真実の愛

「ナミキは、知っているのか。…ナミキも関わっているなら、取り調べて然るべき処分を…」
「あの人は関係ありません」
ニナから急に笑みが消えた。
「私はあの人を利用しただけです。情報を引き出すために警備局幹部の中で一番軽薄そうで、手玉に取りやすそうなあの人に近付いただけ。…思ったようには情報が簡単に転がり込まなかったのは残念でしたけど」
淡々と語るニナには静かな迫力があった。
ぐ、とアンリが唾を嚥下する。
「…咬龍団は、何が目的なんだ？」
「…さあ」
ニナが再び微笑んだ。
やはり重要なことは話さないつもりだ。