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第5章 下る命令

「咬龍団の拠点を捜し出し、当たりなら潜入してその内部を探ってほしい」
ハクトがそう言うと、これにナミキが反論した。
「監理官。お言葉ですが、我々は過去に何回か咬龍団の拠点捜索をしております。その度に拠点と見られていた場所はもぬけの殻。すでに別の場所に拠点を構えていたということをお忘れではありませんか？捜索には相当の人員も使うため、通常の務めに支障があります。今回も徒労に終わる可能性があるのに捜索をすると言うのはそろそろ…」
「拠点の検討がついているなら、行くか？」
ナミキの言葉を遮って、ハクトが卓に地図を広げながら訊いた。