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みんな同じ空の下
第28章 深夜の会談
*
「キオ。兄上の態度には驚いただろう」
キオと呼んだのは、見送りのため、クガが共に歩いているせいだろう。城門までの道を歩きながら、ハクトはリノに話しかけた。
「あ、いえ…、その…」
確かにハルマの態度には驚いた。
言葉の端々や表情からは、ハクトへの嫌悪がはっきりと見て取れた。
だが、それを言っても良いものなのか。
リノが言い淀むと、ハクトが苦笑した。
「気にするな。兄上が私と会うときはいつもあのような態度だ」
「ハルマ様はハクト様のことがお嫌いですからね」
クガが愉快そうに笑う。
「…嫌い?」
リノが小首を傾げた。
「…キオ殿はハクト様の出自について、ある程度ご存知ですか?」
クガの問いに、リノはこくりと頷きながら「はい」と答えた。