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みんな同じ空の下
第30章 静かなる大捕物
*
大通りから少し外れた川沿いの道を、シバとナダは走っていた。
予定通りなら今頃、祭事行進の列の中に飛び込んで、王の首を獲り、革命を宣言していたはずだったが、今回は明らかに失敗した。
だが、シバは失敗してもすぐに逃走が図れる策を練り上げていた。
襲撃が失敗するようなら、「やめだ」の言葉を合図にナダが大声を出し、周囲の混乱に乗じてその場を離れることを、シバは予め咬龍団全員に伝えていた。
その後は、川沿いにある水車小屋に一旦集まるように指示を出していた。
川沿いの道に入る方向から爆竹を鳴らしたのは、王都の地理に疎い者が迷わず速やかにその方向へ行けるための道標代わりだった。