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みんな同じ空の下
第31章 企み
「お気付きとは思いますが、軍部を離れて警備局に入ったのは、伝達役のニナを使って情報を流すためです。お陰で途中まではいろいろと上手くいっていたのですが…、思い通りにはならないものですね」
愉しげに語るタセムを前に、ハクトは拳をきつく握った。
「――言いたいことは、それだけか?」
ハクトの目が、鋭く光る。
「――――っ!」
声を荒げているわけでもないのに、タセムは身が竦むような威圧感を感じ、つい先程までその顔に浮かべていた笑みは消えた。
まだ若いはずなのに、数多(あまた)の戦場を潜り抜けた猛将のようなハクトの迫力は凄まじく、気圧されたタセムの背中には、嫌な汗が流れた。
愉しげに語るタセムを前に、ハクトは拳をきつく握った。
「――言いたいことは、それだけか?」
ハクトの目が、鋭く光る。
「――――っ!」
声を荒げているわけでもないのに、タセムは身が竦むような威圧感を感じ、つい先程までその顔に浮かべていた笑みは消えた。
まだ若いはずなのに、数多(あまた)の戦場を潜り抜けた猛将のようなハクトの迫力は凄まじく、気圧されたタセムの背中には、嫌な汗が流れた。