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みんな同じ空の下
第36章 二年後の再会
「…おそれながら、陛下。貴方様は最早、私の友人であった頃のハクトではありません。この国を統べる、たった一人の尊き御方なのです。平民である私と軽々しく言葉を交わしてはいけないかと…」
「なんとも寂しいことを言うものだな」
ハクトが、くっと喉を鳴らした。
「確かに私は王となった。だからこそ、市井で暮らす人々の生活をこの目で見て、平民の話をこの耳で聴きたい」
そこまで言うと、ハクトは口角を上げた。
「…そういう理由なら、王と平民が話しても構わないな?」
解るような解らないようなハクトの理屈に、リノは思わず笑ってしまった。
「…わかりました。少しだけなら」
「なんとも寂しいことを言うものだな」
ハクトが、くっと喉を鳴らした。
「確かに私は王となった。だからこそ、市井で暮らす人々の生活をこの目で見て、平民の話をこの耳で聴きたい」
そこまで言うと、ハクトは口角を上げた。
「…そういう理由なら、王と平民が話しても構わないな?」
解るような解らないようなハクトの理屈に、リノは思わず笑ってしまった。
「…わかりました。少しだけなら」