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第6章 少女が「女」を捨てた日 ～其の壱：十年前～

「この子供の母親は納税を怠ったゆえ、役所にて処罰を受けたのですが、直後に亡くなったのですよ。それは偶然のことなのに、この子供は役人のせいだと逆恨みし、仇討ちだと乗り込んできた愚かな罪人でございます。母が死に、孤児となった哀れな子供とはいえ罪を犯した者は厳しく罰するのは当然のことでございましょう？」
「…この娘は、まだ誰も殺していないのか？」
ハクトの問い掛けに、役人は急に目を輝かせた。