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みんな同じ空の下
第6章 少女が「女」を捨てた日 ~其の壱:十年前~
「ええ!この役所の者は優秀なので!愚かな人殺しを未然に防ぐことができたのですっ。王都の役人にも引けをとりませんっ。それというのも、この役所を統率する私の指導の賜物でして…っ」
役人は、自分こそ王都に相応しい人材であると言いたげに自慢をした。
地方の役人で終わらず、華やかな中央へ行きたい。
役人からはそんな出世欲が透けて見えた。
「そうか」
ハクトは一言だけ返し、座り込む。
すると、リノの縄を解き始めた。