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みんな同じ空の下
第6章 少女が「女」を捨てた日 ~其の壱:十年前~
「な、何をなさっているのですか?」
ハクトの行動に、役人が恐る恐る訊ねると、訊かれた本人は解いた縄を地面に放り投げて答えた。
「この娘は、私が預かろう」
リノも役人もぽかんとした顔でハクトを見ていた。
「人殺しが未遂なら、処刑に猶予を与えて監視すれば良い。私が偶々この場に来たのも、何かの導きだろう。私がこの娘を預かり、罪を犯さぬよう監視しよう」
「しかし…」
「娘、私の名はハクト・レギという。君の名は何と言う?」
困惑する役人を尻目に、ハクトはリノに笑いかけた。
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