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みんな同じ空の下
第6章 少女が「女」を捨てた日 ~其の壱:十年前~
端正な顔立ちには育ちの良さが窺える。
着ている物はリノが見ても質の良い物ばかりで、役人達の態度からも彼が高貴な人物であることが判った。
そのような人物がなぜリノのような薄汚く貧しい村娘に笑いかけ、自分の元で預かると言い出したのか。
リノにも役人にもわからなかった。
「…リノ・メイ」
リノはハクトを警戒した目で見ながら名乗った。
「そうか。ではリノ。聞いていただろうが、君は私が預かることになった。今から帰るとしよう」
訳が解らないまま、ハクトに連れ出され、そのまま二日ほど馬車に乗せられて着いた先は王都だった。
着ている物はリノが見ても質の良い物ばかりで、役人達の態度からも彼が高貴な人物であることが判った。
そのような人物がなぜリノのような薄汚く貧しい村娘に笑いかけ、自分の元で預かると言い出したのか。
リノにも役人にもわからなかった。
「…リノ・メイ」
リノはハクトを警戒した目で見ながら名乗った。
「そうか。ではリノ。聞いていただろうが、君は私が預かることになった。今から帰るとしよう」
訳が解らないまま、ハクトに連れ出され、そのまま二日ほど馬車に乗せられて着いた先は王都だった。