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みんな同じ空の下
第7章 少女が「女」を捨てた日 ~其の弐:三年前~
*
目が覚めてから、リノは激しく自らを責めた。
自分があの時、捕まらなければ。
捕まっていたとしても、すぐに反撃できていたら。
なぜ、自分はこんなにも非力なのか。
七年前、リノに生きる道を与えてくれた恩人であり、友人でもあるハクトに、自分は何を返したというのか。
ただ、与えられた環境でぬくぬくと過ごしていただけだ。
それがあの結果を招いた。
自分がもっと強く、力があれば。
それこそ、男にも負けないくらいに。
力が欲しい。
ハクトを守ることができるのなら、綺麗な衣服も、装飾品もいらないから。
リノは爪が食い込むほど強く拳を握り締めた。