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私達が人間を辞めた日
第12章 枯れないディアスキア
「ッああ...」
肉棒が抜かれると私の体は転がされ、俯せになる。寿はサイドテーブルを探りながら言った。
「まあまあだったな...余興はこれくらいでいいだろう...」
余興...?これで終わりじゃないの?
寿を見ようとすると、姫歌が私の両手を抑える...
シュボッ...ライターの音...煙草の匂い...
「...ぁ...あ...」
寿が煙草を吹かす姿を見ると、歯がカチカチと鳴る程体が震え...掠れた声が漏れた。
数々の虐待の中でより印象深い物は...煙草の火だ。初めて本格的な虐待であった煙草の火は、今でも私のトラウマとして根強く残り...道端で歩き煙草をしている人とすれ違っただけで足がすくんでしまう。
そしてこの状況...幼い頃の既視感...
「嫌...嫌...ごめんなさい...ごめんなさい...」
まるで幼児退行してしまったように小さな声で繰り返す。
今の私は、あの頃に戻ってしまったような錯覚さえ感じていた...