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私達が人間を辞めた日
第12章 枯れないディアスキア

寿は私のお尻付近に跨がる...煙草の火が背中に接近していく気配...

「あ....あ...やぁ...」

私は体中の神経が切れてしまったように...言葉にならない声を出す...
いつしか今居る場所も、ベッドではなく五畳の寝室の敷き布団に見えていく...

....ジュッ....

「ああああっ!!!熱い!!熱いよぉ!!!」

何度も経験していても熱い物は熱い...背中の火傷を上塗りするように、煙草は何度も押し付けられる...

「嫌ああぁ!!!お母さん助けてぇ!!!」

無意識に叫びながら顔を上げるが、そこに居るのは当然母ではなく姫歌だ。
姫歌は私を見下ろすと、ニッコリと笑って言った。

「我慢しなきゃ駄目でしょ?蛍...」

え?
思わず目を見開く...なぜ姫歌が私の名前を知ってるのだろう。
いや...私の財布でも漁れば名前くらい容易に知る事ができる...
問題は...口調や台詞こそ違えど、何故まるであの頃の母のような事を言うのかという事...
今になって名前で呼ぶのも不自然だ。幼い頃と似たシチュエーションも含め、これはできすぎた偶然なのだろうか...
その疑問への解答は、直ぐに寿から聞かされる事になる。
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