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私達が人間を辞めた日
第14章 カウントダウン
減点...罰...その二つの単語が頭の中で反響し続ける。
なんで私はあんな事を言ってしまったのだろう。昨日、部屋の中心で痛々しい暴行に晒されていた11番の女性...それを見た私は半ば無意識に「辞めてください」と言ってしまった。
直後に告げられた減点...理佳に減点のシステムは聞いていたが、内容までは想像できない。
理佳の反応を見る限り、恐ろしい事だとは解る。
おそらく理佳は私を怖がらせようとしたわけじゃなく、私が減点されないように心掛けるように、敢えて減点の恐ろしさを悟らせたのだろう。
それでも私は減点されてしまった...
先日の理佳と二人で受けた仕打ちで、まだ火傷が残る体を撫で...涙を堪える。
ここで嗚咽を聞かせたら、理佳は私を心配してしまうだろう。
私が精神を保っていられるのは理佳のおかげだ。二人でなら...こんな地獄だって乗り越えられるかもしれない...
それは儚過ぎる幻想だ...でも、幻想でも希望を抱かないと...その瞬間に死んでしまうとさえ思える。
「7番!!出ろ!!」
男の声にビクッと震えた...このタイミングで呼ばれる事は...減点への罰が実行されるという意味...胃が酷く痛む。