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私達が人間を辞めた日
第14章 カウントダウン

「泉ちゃん...何もできなくて...ごめんね...」

嗚咽混じりの理佳の声...

「大丈夫ですよ...心配しないでください」

男が来る前にそれだけ告げ...手枷を着けられ檻から出る。
いつものように笑顔で理佳を見て、リードを引かれ歩き出す。
理佳は泣いていた...今にも男に食って掛かりそうな顔を精一杯宥め...部屋を出る。
ここで理佳が何か言えば、理佳までもが減点されてしまうかもしれない。理佳は既に減点されている...これ以上の減点は絶対に許されないのだ。
減点の上限は5まで有るといっても、上限に達するまで身も心も持たないという根拠のない確信がある。
実際に...一度減点されて戻って来ない人もいる...

洗浄を済ませ、連れられた部屋は...いつもと違う部屋だ...
一際目立つのはアルファベットの「X」の形をした不気味な拘束具...その後ろに何かが置かれたテーブルのような物があり、布を被せられている為、何が置いてあるのかはわからない。

作業服の男にその拘束具に拘束される...
両手と両足は完全に拘束され、腰と太股も丈夫な皮ベルトのような物で磔にされた。
恐怖に唇を震わせる...ここまで拘束するという事は...罰とは拷問のような物なのだろうか...

作業服の男が部屋から出ると、しばらく放置された。この静かな時間が...悪い想像を際限無く膨らませていく...
長い静寂は部屋の扉が開く音に破られる...姿を見せたのは...寿...
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