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私達が人間を辞めた日
第14章 カウントダウン
荷台が揺れる度にピアスの鈴が鳴る...
どうやら真っ直ぐ檻のある部屋まで向かうようだが、わざわざ口まで塞いで拘束する意味が解らない。これまでは歩いて戻らされていて、今はまともに歩く事はできないが、こんな状態の私を拘束して何になるのだろう。
足を閉じるとピアスが痛むので、足首を着けた状態で無様に股を開いたまま、予想通り部屋に入る...
顔の傷がようやく出血を落ち着かせ始めていた私と、檻の中の理佳の目が合った。
理佳が驚愕の表情を浮かべ、鉄格子を掴んだ瞬間...嫌な予感が体中を駆け巡る。
「泉ちゃん!!そんな...酷い...」
私の体のピアス...顔の傷口から垂れる血...それを見た理佳は涙を流し、普段の理佳から想像できないような怒りの表情を露にした。
「ンンー!!」
理佳さん!!駄目です!!
そう叫ぼうとするが口を塞がれている為、くぐもった声しか出ない...
まさか...寿の狙いは...
理佳は作業服の男を睨み...あらんかぎりの怒号を上げた。
「なんて残酷な事するのよッ!!!それでも人間なの!!!」