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私達が人間を辞めた日
第18章 私は誰のモノ?
ぺた...ぺた...18番がゆっくりと私に近付く...
私は右手と右足...左手と左足に枷を付けられるという変則的な拘束をされている為、後退る事すらできなかった。
なんなの...この女...
楽しそうな気配なんて微塵も感じさせないのに、不気味な笑みを浮かべ続ける18番の瞳は、初めて見る種類の物だ。
そこには私を痛め付けようという残虐性も...脅されているような緊張感も...いつ死んでもおかしくないという恐怖感すら感じない...
18番は私にもたれるように被さる...
「うッ...」
体が密着すると、鼻につんとした刺激臭...
その匂いは汗や体臭といった物の領域を越えている。
この女を罵倒したいわけじゃないが...豚小屋はこんな匂いがするだろうと思うくらい...人間がここまで臭くなれるのか、という匂いだ。
そんな私の内心など知るよしもない18番に頭を抱き絞められる。
胸の谷間の蒸れた匂に思わず息を止めると、初めて18番が口を開いた。
「ああ...良い匂い...」