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私達が人間を辞めた日
第19章 【最終章・私達の答え】前編~真夜中の侵入者~

声を押し殺して慎重に...扉の隙間から顔を覗かせる...
最初に感じたのは...家畜小屋のような異臭...そして...微かに聞こえる息遣いと...複数の人間の気配...

暗闇に慣れた目を凝らすと、その部屋の全体像が浮かび上がる。

「なんだ...これは...」

思わず呟いてしまった...小さな檻が...大量に並んである...
まさか人の気配は...この檻の中から...?
一度振り向くも、皆同じように絶句している。俺はその部屋に足を踏み入れた。この館側の人間なら、檻の中にいるはずがない。
つまり...檻にいる人間は、この館の中で館の主と親睦のない人間か、この館に連れられた人間である可能性が高い...
一番近い檻をそっと照らすと...再び絶句した...
全裸で首輪を着けた女性が...無気力に寝息を立てている。
その隣も...その隣も...清潔感のない、体に生傷を刻まれた女性が横たわっていた...

なんて...酷い光景なんだ...まさか...まさか...
娘を見つけたいという思いと、こんな場所に居て欲しくないという思いが複雑に絡み合う。
いくつ目かの檻...座ったままの見慣れたシルエット...

何よりも望んだ娘との再会が叶うが、その変わり果てた姿は...俺に芽生えた嬉しさや感動を消し去り...代わりに怒りと絶望を芽生えさせた。
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