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私達が人間を辞めた日
第20章 【最終章・私達の答え】後編~運命の導き~
『私の分まで...生きてね...』
何者かの声が...脳内に反響する...
「えほッ...おえぇッ!!」
檻の中にあるバケツに、血液混じりの吐瀉物をぶちまけ、予期していた通り...激しい腹痛に襲われ...小さな呻き声を上げる。
駄目...苦しそうな声なんて出しちゃ...理佳さんが心配しちゃう...
口を塞いで我慢してみても...苦痛の声は指の隙間から抜けてしまった...
自分の至らなさに嫌気が差すが、隣の壁に凭れて懸命に明るい声音を作った。
「私は...だっ、大丈夫ですよ。ちょっと...寝ぼけちゃったみたいで...」
壁の向こうからの返事はない...
「昔から...良く変な寝言とか言っちゃうんですよね...理佳さんはそんな事って有りますか?」
返事は...ない...
「もう...寝ちゃったんですね...お休みなさい...」
私は毛布を纏い、最近随分と困難になっている睡眠に挑戦する。