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私達が人間を辞めた日
第20章 【最終章・私達の答え】後編~運命の導き~
瞳を閉じ...意識が深いまどろみに落ちる頃、瞼に心が安らぐシルエットが浮かぶ。
『理佳さん!!最近話せてないから、なんだか久しぶりな感じがしますね』
私が語りかけても、穏やかな表情をした理佳は...何も言ってはくれなかった。
『理佳さん...?どうしたん...』
問い掛ける最中...理佳の首に横一線の赤い線が浮かび上がり、思わず息を飲んだ。
その線から赤い液体が滲み出た瞬間...無意識に理佳の元へ駆け寄ろうとするが、どんなに力を入れても体が動かない...
気が付けば...立っていたと思っていた私は床に寝ていて...その近くに理佳も横たわっていた。
陽炎のように現れた作業服の男が私を床に押さえ付けている...
....見覚えのある...光景だ...
ドスッ...何故か不快な既視感に気をとられていた意識を...鈍い音が引き戻す...
理佳の口から...コポコポと泡立った血が溢れ...私の体が冷たく硬直する。
...理佳の首が...本来在るべき場所...体から...ゆっくり離れていった。