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私達が人間を辞めた日
第4章 最下層からの蹂躙
床が...冷たい...
ふとそう思いながら目を開けると、視界に入ったのは懐かしい鉄格子...
鉄格子の向こうには無気力な女達。
....ああ...この部屋に戻って来てしまった...
体をゆっくりと起こす....
「...ッ!!」
腹部に走る痛みに息を詰まらせる。
腹部には包帯が巻かれている...恐る恐る包帯を解く。
「...うっ...うぅ...」
くっきりと残る「17」の焼き印...この大きさでは一生消えないだろう...
嗅ぎ慣れない薬品の匂いがする液体が塗られている。おそらく化膿を防ぐ消毒液...唯一の...情け...
「酷い...酷いよ...」
残酷な現実に涙が枯れる気配は無い。
もう二度と、私が「17番」という立場から解放されない事を示す印...
どんな仕打ちを受けようと、焼き印までされる人はこの館にいなかったはずだ。
それは私が哀れみ...罵り...嘲笑い....見下してきた者を含めても...
ひたすら涙を流している私は...私より「格上」である番号持ちの目にどう映っているのだろうか...