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夢のうた~花のように風のように生きて~
第4章 《運命の邂逅》
徳松の視線が娘の全身を捉え、その整った顔が曇った。娘の身につけているのは薄い寝衣一枚きりであったが、その寝衣は見るも無惨な有様であった。片袖は千切れ、至るところが引き裂かれ破れている。緩んだ胸許や首筋に強く吸われた―恐らくは接吻の跡だろう―が刻みつけられていた。
流石に、こうしたことには疎い徳松でさえ、この美しい娘が何者かに犯されたのだという事実を嫌でも知ることになった。娘の白い頬には幾筋もの涙の跡があった。