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夢のうた~花のように風のように生きて~
第5章 《花塵》
 このまま閨での交わりを続ければ、腹の子はもとよりお千香の生命まで保証はできぬと、医師は穏やかではあるが、はっきりと定市に告げ、駕籠に乗って帰っていった。
 その翌日、お千香は一年ぶりに懐かしい我が家へと帰った。最早駕籠に乗る体力もなく、戸板に乗せられ、大八車に揺られての帰宅であった。大番頭の茂平初め、奉公人一同が店先で居並んで出迎えた。戸板に乗せられたお千香は可憐な花のような面影はあったものの、まるで別人のように弱っていた。
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