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夢のうた~花のように風のように生きて~
第2章 《悲劇の始まり》
「私は、旦那さまに対して何の役にも立たない人間です。私がここを出て行けば、旦那さまも新しい奥さまをお迎えになれるでしょうし、それがいちばん良い方法だと思うのです」
 この二日間、お千香なりに考えて出した結論であった。定市は美濃屋の主としても不足はない。だが、自分には定市の求める妻としての役目を果たすことはできない。お千香さえ美濃屋を去れば、定市はまた別のふさわしい女を後添えに迎えることができる。
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