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夢のうた~花のように風のように生きて~
第2章 《悲劇の始まり》
「私は先代の旦那さまがお決めになった、れっきとした美濃屋の主だ」
 定市は庭を眺めたまま、固い声で言った。
 お千香は、すかさず言った。
「それは十分存じております。ですから、私はあなたに出て行って欲しいなぞとは申しておりません。私が美濃屋を出ます」
「何だと?」
 定市が愕きもあらわに振り向いた。
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