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限りの月
第8章 嫉妬
ゆっくり扉が開いた。

「なんだ、城戸くんか。女性の声が聞こえたからてっきり…」

そう言いながら、男性社員が入ってきた。
美織と目が合う。

「ん?どなたですか?」
「僕の妻ですよ」
「えっ、そうなの!?」
「ちょっと忘れ物をして、届けてもらったんですよ」
「へぇ~…」

男性社員にジィッと見つめられ、美織の身体はカッと熱くなった。
まるで全て見透かされてるようで、気が気じゃない。


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